沖縄の人が好きなもの
沖縄の同僚のお祝い事に何かプレゼントをしようと思い、「沖縄の人が好きなものって何?」と母に尋ねた。
母は『コーヒーとお酒!』と即答。
母は沖縄県出身で、10代で上京しているから東京暮らしの方が随分と長いけれど、沖縄のことなら今でも詳しい。その母が言うんだから間違いない。
同僚にはコーヒーグッズをプレゼントすることにした。
何故、沖縄人はコーヒーが好きなのか
戦後0年と言われている1945年。日本は戦争に負けて沖縄は政治的に日本と切り離され、アメリカ軍統治下の時代があった。
アメリカの沖縄統治は1972年まで続き、沖縄とアメリカのちゃんぷるー文化の中、母は生まれ育った。沖縄の人々の食生活は、戦後の時代背景もありパンとコーヒー文化が自然と根付いていった。そんな母だから、うちの朝食はいつもパンとコーヒーだったのか〜、と歴史を振り返ると今更ながら分かる。
沖縄の人はコーヒーをよく飲む。泡盛のコーヒー割りもよく飲む。コーヒー大好き。つまり母の意見は正しかった。
沖縄のお酒といえば泡盛
沖縄といえば泡盛。何故、沖縄の人は泡盛を飲むのだろう? ずばり沖縄料理に合うからです。
てびちやラフテー、ゴーヤーチャンプルー(ゴーヤーと伸ばさないと沖縄の人に怒られます)など、沖縄料理はとにかく脂っこくて濃味が特徴。合わせるお酒といったらアルコール度数が高く独特の風味の泡盛がベストマッチ。この食生活に合わせるべく、自然に生まれたのが泡盛なんじゃないかといわれています。
けれども、最近の居酒屋で泡盛を飲んでいる若者はほとんど見かけなくなった。きっと現代の食文化の変化によるもの。飽食の現代、沖縄に住みながら世界各国の料理も楽しめる。毎日、沖縄料理を食す人はほぼいないと思う。食文化の変化により、今どき好き好んで泡盛を飲んでいるのは中年層以上の人だけかもしれない。ちなみに沖縄の若者はピーチウーロン大好きだよね(偏見かもしれないけれど)。
日曜日の昼下がり、沖縄市の街を歩いていたらスナックのママ(オバァ)に逆ナンされた。真っ昼間から泡盛とつまみを差し出された。
店内は薄暗く、ソファ席では店主らしきオジイがテレビを見ながら三線を弾いている。お店はオバァとオジイと私の3人。特に会話もなく、テレビの高校野球を見ていた。こういう日曜日もいいな、と思った。ドリンクメニューは泡盛しかなかった。沖縄では泡盛があれば幸せ。
それにしてもオバァが逆ナンしてくるとは、なんてエキサイティングな街だ!と、当時は面食らったけれど、沖縄中北部は本当に色々な人がいて面白い。
コザ交差点では誰に頼まれた訳でもないのに勝手に交通整理するおじさんがいたり、スーパーの駐車場では交通整理が下手くそな警備員がいたり、コンビニ前には100円頂戴とせがんでくるオバちゃんがいたり、ネイティブ相手に英語ペラペラなバスの運転手がいたり。それぞれにスポットを当てたらひと記事書けちゃいそうな個性の宝庫。
ある日待ち合わせでコザ十字路の路肩に車を停めていたら、「にいちゃん、サンエーまで乗せてってくれや」と、私の車に図々しく乗り込んでくるオジイもいた。本当にもうっっっ、沖縄って自由だ!
話がだいぶ逸れてしまったけれど、沖縄人がコーヒーと泡盛が好きな理由は、時代や風土に根ざした食生活から生まれ、その文化が育まれたからである。そして自由で陽気な人々を育んでいったのだろう。
沖縄大好き。